造林をめぐる問題 3
人材の確保については相当な困難を伴ったのですが、その方法にも問題がありました。
それは40年代に伐採、造林は最盛期を迎え、その10年後の50年代には事業が激減することは当然予想されたにもかかわらず・・・
事業は直営直用を原則とし、作業員の常用化即ち職員化を積極的に進めたことです。
その結果、事業がなくなると遊んでいるわけにもいかないので伐ってはならないところまで伐るという、ニ重の過ちを犯す羽目にもなってしまっているのです。
拡大造林の弊害が随所に現れ、さらにそれらの傾向がますます深刻化することが十分察知されていたのですから、この時点でも早急かつ大幅な減伐に転換すべきであったと思われます。
・・・しかしお役所というところは会社と違って、「林力増強」という大義名分の旗印は容易におろせないのです。
またこれに乗った労働組合は我が世の春とばかり縮小は絶対許さないのです。
まさに親方日の丸です。
他方、唯一の現場監督者である担当区主任は造林に全く関係のなかった人が多く、登用試験に合格してわずか2週間程度の造林の基礎教育を受けるのみで現場に出されるのです。
こうした人たちが伐採跡地の植栽樹種の選定、苗木の取扱い、植付方法から保育など全面的な指導監督を強いられているのだから驚くほかありません。
ましてや2、3年で転勤ときては、担当地域の気象条件をはじめ地質、樹木の成育状況その他に関し自信をもって指導に当たることなどできるはずがないのです。