林業労働力の確保対策 3
第二に、前述のように大企業の「減量経営」の展開、不安定座用の本格的活用に伴なって膨大な相対的過剰人口が全国的にも、また山村労働力市場においても滞留し・・・
「労働力不足」下の林業労働力確保策としてとられた「専業化」路線はその根拠を失なってきたことです。
高度成長期に林業資本が労働力確保をめぐって対抗しなければならなかったのは、山村から労働力を吸引するところの域外(主として都市部)非農林業資本です。
そのためにはせめて「他産業並み」の労働条件、なかんずく格差が著しい社会保険の適用水準の引上げを実現しなければならなかったのであり、その手段こそ「専業化」にほかならなかったのです。
しかし、いまや事情は一変しました。
若年労働力は別にすれば、林業資本が主たる競争関係にたつのは山村労働力市場を構成する諸資本ということになったからです。
山村労働力市場の現段階的特徴はすでにふれたごとくですが、この中にあって林業の労働条件は必ずしも低いものではありません。
林業労働力の中心をなす男子中高年労働力に関して、林業と最も競合関係が強い職種は土工ですが、両者の賃金は(日額、「林業統計要覧」による80年比較)伐木・造材の8、320円、造林の6、210円に対し、土工は5、567円とかなり林業の方がまさっています。