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ミサ曲 アーカイブ

大好きな音楽家

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ミサ・ブレヴィス ハ長調 《雀のミサ》


1774年12月7日、モーツァルトは父親のレオポルトとともにミュンヘンに到着します。

それは、ミュンヘンのバイエルン選帝候マクシミリアン3世から依頼されたオペラを上演するためでした。

オペラ・ブッファ『にせの女庭師』K196でしたが、モーツァルトの手紙によれば、この上演は大成功だったようです。

初演の翌日、1775年1月14日付けの故郷の母親に宛てた手紙では、モーツァルトは次のように記しています。

「神様のおかげです。ぼくのオペラは昨日13日に上演されて、とても説明のつかないくらいの大成功でした。

劇場は超満員で、大勢の人が入場できずに帰りましたし、アリアが終わる度にたいへんな拍手と騒ぎで、ブラボーの大声が上がりました。」

大好きな音楽家 その2

ちょうどその頃、モーツァルトはミュンヘンで2曲の教会音楽を作曲していました。

ひとつはニ短調の『オッフェルトリウム』K222、もうひとつがこの『雀のミサ曲』です。

これらはミュンヘンで作曲されたとはいえ、当時モーツァルトが置かれていたザルツブルグの宮廷音楽家としての職務として、ザルツブルグにおける礼拝用の作品として作曲されたもの。

弦楽部にヴィオラが入っていないのもそのためですが、また彼のミサ・ブレヴィス(小ミサ曲)としても、とくに小規模で短い作品になっています。

それはひとつには、当時のミサ曲の作曲の慣例をなっているグローリアとクレードの最後の部分に置かれるフーガが省略されていることにもよります。

そのためにアインシュタインのように、この曲の価値を低くみる人もいますが、逆に言えばホモフォニックな手法が中心であるために一般的にはわかりやすく、親しみやすい作品になっているとも言えます。

大好きな音楽家 その3

四声部の独唱、合唱のほか、二声部のヴァイオリン、通奏低音(低弦とオルガン)、それにトランペット2、ティンパニが加わります。

だから小編成のわりに華やかなかんじがあり、当時のザルツブルグ大司教コロレードの好みにも合っていたのではないかと思われます。

また、この『雀のミサ曲』という題名は、サンクトゥスの部分に現れるヴァイオリンの鋭い音型が雀のさえずりに似ていることから付けられました。

なので、この音型は次のベネディクトゥスにも出てきます。

この曲の録音は意外に少ないですね。

以前はグシュルバウアー指揮カイヤール合唱団やグロスマン指揮ウィーン少年合唱団などの演奏がありましたが、現在ではクーベリック指揮のものが安定した演奏です。

ほかに、ウィーン少年合唱団の新しい録音もあります。

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好きな一曲

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主としてザルツブルグ時代に書かれた10数曲におよぶモーツァルトのミサは、必ずしもすべてが日常的に演奏されているわけではないです。

しかしそれらの中で、マンハイム=パリ旅行から帰った彼が、ザルツブルグにおいて1779年3月23日に書き上げたハ長調K317のいわつる『戴冠ミサ』は、もっともよく知られているもののひとつになっています。

この作品は、かつてはザルツブルグ北方の丘の上に建てられたマリア・プライン巡礼教会にある聖母マリアの戴冠像のための恒例行事となっていた、ミサ奉献日に演奏されることを目的として書かれたものです。

しかし1779年の奉献日、つまり6月27日のために作曲したものとしては、あまりに早く閑静されているということや、この教会で演奏するためにしてはオーケストラ編成が大きすぎるということなどから、今日ではこの作品は、4月4日から翌日にかけての復活祭のために作曲され、ザルツブルグ大聖堂で初演されたものと見られています。

好きな一曲 その2

このことは、『戴冠ミサ』と呼ばれていることと矛盾するように思われます。

しかし、その後1790年になってこの作品が、1780年に作曲された『ミサ・ソレニムス』とともに、ヨーロッパ各地で行われたレオポルト2世の戴冠式の記念ミサに使われたことから、この名称が与えられたのだろうという推論によって説明されています。

その音楽は、マンハイム=パリから旅行を終えて、ますます円熟を示しつつあった彼の書法を投影するかのように豊かな広がりを見せています。

作品の規模も大きく、またホモフォニックであるとともに、きわめて器楽的な性格の強いものとなっています。

ただ、そうした充実ぶりを見せながら、ザルツブルグの教会音楽の伝統のひとつとも言えるようなヴィオラ・パートの除外という特異な楽器編成は、ここでも守られています。

さらに興味深いことは、ウィーンでの『フリーメーソンのための葬送音楽』においてさえ、このヴィオラを除外するという形は、踏襲されているのです。

好きな一曲 その3

この作品は、演奏される機会も多いだけに、ある水準以上に達したものが少なくないです。

カラヤンには、1975年のベルリン・フィルとの録音と、その10年後のウィーン・フィルとのライヴがあります。

歌手がまったく異なっているので、いずれを選ぶかは好みですが^^

音楽の細部にまでおよぶ美しさという点では、旧録音だと思います。

クーベリックは、それよりもはるかに控えめではありますが、穏やかな表情を思わせつつも、かなり緊張した内容をも秘めています。

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おすすめ

"わたしは今、室内楽と教会音楽を作曲するのを楽しみにしています。

特に教会音楽の作曲の分野では、2人の優れた対位法作曲家がいます。

ハイドン氏とアドゥルガッサー氏です。

わたしの父は教会に奉仕しておりますから、わたしには好きなほど教会音楽を作曲できる機会が与えられています。

(中略)

わたしたちの教会音楽は、イタリアのそれとはまったく異なっています。

というのは、キリエ、グローリア、クレド、書簡ソナタ、オッフェルトリウムまたはモテット、サンクトゥス、アニュス・デイをすべて含めて、1回のミサが45分よりも長くなってはいけないからなのです。

荘厳ミサ(ミサ・ソレニムス)でさえも、大司教自身が司祭されるときには、これが適用されるのです。

ですからこのような種類の作曲をするには、特別の学習が必要であることがおわかりになるでしょう。"

これは、1776年9月4日、モーツァルトがかつての師であったマルティーニ神父に宛てた手紙の一部です。

おすすめ その2

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1772年にザルツブルグの大司教に就任したヒエロニムス・コロレードは、長時間にわたるミサを嫌ったことは知られていますが、その傾向は年を追うごとに強くなっていったと思われます。

たとえミサ・ソレニムスであっても、ミサの音楽全体が45分を越えないということは、ミサ通常文の部分には物理的にいっても30分を越えることが許されないわけです。

その結果、モーツァルトのミサ曲では、この手紙より以前に作曲したミサ・ブレヴィス(小ミサ曲)よりも、それ以後に書かれたミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)の方が規模が小さくて短い、という結果を生んでいます。

おすすめ その3

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このミサ曲は、1780年3月に作曲されたザルツブルク時代最後のミサ曲で、もちろんミサ・ソレムニスです。

この曲は全部で530小節あるのですが、たとえば1774年に作曲されたミサ・ブレヴィスへ長調K192は、569小節で書かれています。

しかもクレドはこの曲の方が37小節長いのですが、グローリアは逆に70小節も短くなっています。

ザルツブルク時代のモーツァルトのミサ曲を聴く時、そうしたことも頭の中に入れておくと面白いですよ^^

この曲も、演奏時間は30分もかかりません。

編成はかなり大きく、四声部の独唱と合唱のほか、オーボエ2、ファゴット2、トランペット2、(トロンボーン3)、ティンパニ、ヴァイオリンニ部、通奏低音(低弦、オルガン)。

ハ長調の調性でもあることからかなり華やかで、祝典的な気分ももっています。

大好きな曲

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ひと昔前なら、この証聖者の《ヴェスペレ》K339などは名曲として取り上げられることはなかったかもしれません。

カトリックの典礼の中で最も一般的なのはミサであり、これは"ごミサ"などという言葉で、一般の日本人にも知られています。

それがリタニアとかヴェスペレとなると、なんのことやらわからないから、20世紀前半にモーツァルトへの関心の高まる中で外国では演奏されたものの、日本ではごく稀にしか演奏されていません。

しかし、この曲はいまでも外国で評価の高い曲です。

大好きな曲 その2

2曲のヴェスペレは、それぞれモーツァルトがザルツブルクの宮廷オルガニストだった2年間(23歳~24歳)の春の復活祭のために書かれました。

ヴェスペレの歌詞は聖書の中の"詩篇"からの5章と、ルカ伝の中の"私の魂は主を崇め"(マグニフィカト)の合計6曲から成っています。

カトリック教徒にとっては、自分たちの知っている詩篇の言葉が音楽になって流れ出してくることに興味があると思われますが、私のような異教徒にとっては音楽的な興味しかありません^^

それに「モーツァルトの音楽には宗教心が不足しており、オペラみたいだ」という、見当違いでいて正しい指摘の示すように、同じ時期に書かれたミサ曲《戴冠式》と同様に、この曲もまた華麗な音楽となっています。

この時代、教会は民衆が美しい宮廷音楽に接し得る唯一の場所でした。

人々はそれを聴きに集まってきたし、燗熟したロココ文化の中の貴族たちも、どうせ聴くなら禁欲的な音楽ではなく、耳と官能を楽しませてくれるものを聴きたかったのです。

そうした要求の上に花を咲かせたのがモーツァルトの教会音楽である以上、まるでオペラのようなメロディで合唱が華麗な歌を聞かせたとしても、本人の信仰心の欠如と責められるには当たらないですよね。

大好きな曲 その3

キリスト教徒でなければ、そんなに目に角を立てて理屈をいう必要はないわけで、豊麗なコーラスに身を委ねていれば、すばらしい30分が過ごせるわけです。

オーケストラとオルガンが伴奏するのですが、ここでの主役は常にコーラス。

ソロは第5曲にソプラノが長い声部を歌うほかは短いです。

なので、コーラス専業のチームが強いのですが、数種ある録音の中では、音はやや古いですが、かつてシュトウットガルトの名を有名にしたヘルムート・リリングの手勢たちの録音が、その《戴冠式》ミサとともにまとまりを見せています。

また、ソプラノのソロも素晴らしいですね。

逆にソロにモーザー、ハマリ、ゲッダ、フィッシャー=ディースカウと豪華な顔ぶれをそろえているのがヨッムフの盤ですが、表情が少し厳しいです^^

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